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2019.12.03

【税務】消費税の転嫁~よくある勘違い~

公正取引委員会事務総局中部事務所では、日々、消費税の転嫁に関して、相談を受けています。その中で多く見受けられる「勘違い」について、Q&A形式でまとめたものが公表されています。「勘違い」による法律違反の未然防止にご活用ください。

 

  • 質問1:下請法と同じような適用範囲の法律ですか?

食品メーカーであるA社(資本金1000万円)は、毎週、B社(資本金3億円)に産業廃棄物の処理を委託しています。A社の経理部長は「消費税転嫁対策特措法は下請法と同様に、中小企業保護のための法律なので、資本金の小さい当社がB社に対して消費税の転嫁拒否をしても法律違反に問われない」と言っています。本当に大丈夫でしょうか?

 

◆回答1

経理部長の理解は間違っています。

消費税転嫁対策特措法は、特定事業者が特定供給事業者に対して転嫁拒否を行うことを禁止しています。

B社の資本金は3億円ちょうどですから特定供給事業者に該当します。また、A社は、B社(特定供給事業者)から継続して産業廃棄物処理のサービスを受けている法人ですから特定事業者に該当します(ここでは、サービスを受ける側の資本金の大きさは関係ありません。)。

したがって、A社はB社に対し、消費税率引上げ分(2%)に相当する額を、従来の委託料に上乗せして支払う必要があります。

※ 下請法では、資本金1000万円の会社が規制の対象となることはありませんが、消費税転嫁対策特措法では、資本金1000万円の会社が資本金3億円の会社の特定事業者(規制の対象)となり得ますので、十分な注意が必要です。

 

 

  • 質問2:駐車場や倉庫などの賃料はどうなるんでしょうか?

C社はD社から駐車場を借りており、契約書で賃料が「月額5,400円(税込み)」と決められています。C社の経理担当者のPさん、Qさん、Rさんはそれぞれ次のようなことを考えています。理解が正しいのは誰でしょうか。

(Pさん)税込み価格について合意しているので、今回の消費税率引上げは関係のない話だと思う。

(Qさん)D社は賃料を引き上げたいと言ってきていない。言ってきたら引き上げることでいいのではないかと思う。

(Rさん)自社の利益が落ちているのでD社と話し合って賃料を据え置いてもらうことにした。D社は話合いに納得したので、据え置いてもいいのではないかと思う。

 

◆回答2

Pさん、Qさん、Rさんの3人とも間違っています。

消費税転嫁対策特措法では、特定事業者(C社)が、合理的な理由なく、通常支払われるべき対価に比べて対価の額を低く定めることにより消費税の転嫁を拒むことは、「買いたたき」に該当し、違反となります。

この「合理的な理由」とは、例えば、大量発注、共同配送、原材料の共同購入等により、特定供給事業者にも客観的にコスト削減効果が生じており、当事者間の自由な価格交渉の結果、当該コスト削減効果を対価に反映させる場合のことを意味しています。

したがって、「税込価格について合意している」(Pさん)、「賃料を引き上げたいと言ってきていない」(Qさん)、「(賃料据置きを)納得している」(Rさん)という理由は、いずれも「合理的な理由」に該当しません。

この質問では、C社は、消費税率が10%となった以降は、次の金額を支払う必要があります。

5,400円÷1.08×1.10=5,500円

 

 

  • 質問3:免税事業者に我慢してもらえないでしょうか?

E社は自社の雑誌に掲載する原稿の作成をMさん(免税事業者〔注〕)にお願いしています。E社の経理担当者のSさんは次のようなことを考えています。正しい理解でしょうか。

(Sさん)Mさんは消費税の納税を免除されている。仮に、原稿料を引き上げなくてもそれほど困らないと思う。我慢してもらえないかお願いしてみよう。

注:小規模事業者の納税義務負担への配慮等から、一定規模以下の小規模事業者(基準期間の課税売上高が1000万円以下の事業者)については、納税義務が免除されています。

 

◆回答3

Sさんの理解は間違っています。

免税事業者も消費税転嫁対策特別措置法上の特定供給事業者に該当するため、特定事業者が免税事業者に対して消費税の転嫁拒否を行うことは問題となります。したがって、特定事業者(E社)は、Mさん(特定供給事業者)に対し、消費税率引上げ分(2%)に相当する額を、従来の原稿料に上乗せして支払う必要があります。

例えば、消費税率が8%のときに原稿1本につき32、400円(消費税込み)で委託していた場合には、32,400円÷1.08×1.10=33,000円を支払う必要があります。

 

詳しくは、こちらをご覧ください。

 

参照ホームページ[公正取引委員会]

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/nov/191111chubutenka.html

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