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2023.01.04

【労務】令和5年度から5年間にわたる「第14次労働災害防止計画」の案を提示

厚生労働省は「第150回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催し、労働災害防止計画等を公表しています。今回の議題は、第14次労働災害防止計画などです。労働災害防止計画は、戦後の高度成長期における産業災害や職業性疾病の急増を踏まえ、1958年に第1次の計画が策定されたものです。その後、社会経済の情勢や技術革新、働き方の変化等に対応しながら、これまで13次にわたり策定されてきました。

近年、職場における労働者の健康保持増進に関する課題は、メンタルヘルスや過重労働への対応、労働者の高年齢化や女性の就業率の増加に伴う健康課題への対応、治療と仕事の両立支援、コロナ禍におけるテレワークの拡大や化学物質の自律管理への対応など多様化しており、現場のニーズの変化に対応した産業保健体制や活動の見直しが必要となっています。

さらに、現行の第13次労働災害防止計画期間中(2018年度~2022年度)、化学物質による重篤な健康障害の防止や石綿使用建築物の解体等工事への対策の着実な実施が必要となっています。このような状況を踏まえ、労働災害を少しでも減らし、労働者一人一人が安全で健康に働くことができる職場環境の実現に向け、2023(令和5)年度を初年度として、5年間にわたり国、事業者、労働者等の関係者が目指す目標や重点的に取り組むべき事項を定めた「第14次労働災害防止計画」を策定することとされています。今回の分科会では、その「第14次労働災害防止計画」の案が示されています。

■第14次労働災害防止計画(案)これまでの検討

【第13次労働災害防止計画の実績(4年目・令和3年)】

・計画の目標

(1)死亡者数を2017年と比較して、2022年までに15%以上減少させる。(2017年)978人

(2)死傷者数の増加が著しい業種、事故の型に着目した対策を講じることにより、死傷者数を2017年と比較して、2022年までに5%以上減少させる。(2017年)120,460人

・2021年実績

(1)

867人(▲11.3%)

※新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除いた死亡者数778人(▲20.4%)

(2)

149,918人(+24.5%)

※新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除いた死傷者数130,586人(+8.4%)

【分析まとめ】

○「転倒」(23%)、「動作の反動、無理な動作」(14%)などの作業行動に起因する災害が労働災害全体の約4割(37%)を占める。その背景として、労働災害の発生率が高い60歳以上の労働者の割合が増加した影響により、死傷者数が増加している

○建設業、陸上貨物運送業、製造業、林業で業種特有の業務に伴う災害が発生している。特に中小事業者等で取り組みが遅れている

○メンタルヘルス対策等健康確保対策についても中小事業者等で取り組みが遅れている

【第14次労働災害防止計画の方向性】

○災害発生状況、健康確保対策において、中小事業者の安全衛生対策が遅れている。その背景として、厳しい経営環境等様々事情があるが、それをやむを得ないとせず、安全衛生対策に取り組むことが、事業者にとって経営や人材確保・育成の観点からもプラスとなることを周知する等、事業者による安全衛生対策の促進と社会的に評価される環境の整備を図っていく

○引き続き転倒等の個別の安全衛生の課題に取り組んでいくとともに、誠実に安全衛生に取り組まず労働災害の発生を繰り返す事業者に対しては厳正に対応する。

【第14次労働災害防止計画の重点事項】

(1)自発的に安全衛生対策に取り組むための意識啓発

(2)労働者の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進

(3)高年齢労働者の労働災害防止対策の推進

(4)多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策の推進

(5)個人事業者等に対する安全衛生対策の推進

(6)業種別の労働災害防止対策の推進

ア陸上貨物運送業対策

イ建設業対策

ウ製造業対策

エ林業対策

(7)労働者の健康確保対策の推進

アメンタルヘルス対策

イ過重労働対策

ウ産業保健活動の推進

(8)化学物質等による健康障害防止対策の推進

ア化学物質による健康障害防止対策

イ石綿、粉じんによる健康障害防止対策

ウ熱中症、騒音による健康障害防止対策

エ電離放射線による健康障害防止対策

■第14次労働災害防止計画(案)アウトプット指標とアウトカム指標

計画の重点事項の取組の成果として労働者の協力のもと事業者において実施される事項をアウトプット指標として定め、国はその達成を目指し、本計画の進捗状況の把握のための指標として取り扱う。

また、事業者がアウトプット指標に定める事項を実施した結果として期待される事項をアウトカム指標として定め、計画に定める実施事項の効果検証を行うための指標として取り扱う。

なお、アウトカム指標に掲げる数値は、計画策定時において一定の仮定、推定及び期待のもと試算により算出した目安であり、計画期間中は従来のように単にその数値の達成状況のみの数値比較をして評価するのではなく、当該仮定、推定及び期待が正しいかも含めアウトプット指標として掲げる事業者の取組がアウトカムに繋がっているかどうかを検証する。

※下記のアウトプット指標及びアウトカム指標の数値目標は仮案・精査中。今後見直すこともあり得る。

上記のアウトカム指標の達成を目指した場合、死傷災害全体としては、以下のとおりの結果が期待される。

・死亡災害については、2021年と比較して、2027年においては、○%以上減少する【P】

・死傷災害については、2021年までの増加傾向に歯止めをかけ、死傷年千人率については、2021年と比較して2027年までに減少に転ずる【P】

詳しくは、こちらをご覧ください。

参照ホームページ[厚生労働省]

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29207.html

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