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2025.03.03

【税制】令和7年度税制改正大綱:法人課税と資産課税について

成長意欲の高い中小企業の設備投資を促進し、地域経済に好循環を生み出すために、中小企業経営強化税制を拡充します。これにより、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行を実現し、経済社会の構造変化等に対応します。具体的には、次のとおりに税制改正を行うものとします。

1:法人課税

【1】地方創生や活力ある地域経済の実現

(1)業者等の法人税の軽減税率の特例について、中小企業者等の法人税の軽減税率の特例について次の見直しを行ったうえでその適用期限を2年延長する。

①所得の金額が年10億を超える事業年度について、所得の金額のうち年800万円以下の金額に適用される税率を17%(現行:15%)に引き上げる。

②適用対象法人の範囲から通算法人を除外する。

(2)業者等が特定経営力設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)について次の措置を講じた上、その適用期限を2年延長する。

①関係法令の改正を前提に、次の措置を講ずる。

・特定経営能力向上設備等に、その投資計画における年平均の投資利益が7%以上となることが見込まれるものであること及び経営規模の拡大を行うものとして(注)経済産業大臣が定める要件に適合すること。

・経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備(機械装置、工具、器具備品、建物及びその附属設備並びにソフトウェアで(注)一定の規模以上のもの)を追加する。

(注)経済産業大臣が定める要件は以下の通りです

・売上向上のための施策及び設備投資時期を示したロードマップを作成していること

基準事業年度の売上高が10億円超90億円未満であること

(※「基準事業年度」とは経営力向上計画の認定を申請する事業年度の直前の事業年度)

・売上高100億円超を目指すための事業基盤、財務基盤及び組織基盤が整っていること

・売上高100億円超及び年平均10%以上の売上高成長率を目指す投資計画であること

・導入の設備が、売上高の増加に貢献するものであること

・生産性の向上に資する設備の導入に伴い建物及びその附属設備の新設または増設をするものであること

(注)上記の設備には、医療保健業を行う事業者が取得等をするもの及び発電の用に供する設備で主として電気の販売を行う種に取得等をするものを含まないこととする。

(注)上記の「一定規模以上のもの」とはそれぞれ次のものをいう。

・機械措置:一台又は一基の取得価額が70万円以上のもの

・工具及び器具装備:それぞれ一台又は一基の取得価額が30万円以上のもの

・建物及びその附属設備:建物及びその附属設備の取得額の合計が1,000万円のもの

・ソフトウェア:取得価額が70万円以上のもの

②関係法令の改正を前提に、特定経営力向上設備等について、次の見直しを行う。

・一定の時期に発売された設備で、旧モデル比で経営力の向上の指標が年平均1%以上向上するものであるものの経営力の向上の指標について、単位時間当たり生産量、歩留まり率又は投入コスト削減率のいずれかにより評価することとする

・その投資計画における年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれるものであることにつき、経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要日不可欠な投資利益率を7%に引き上げる

・次の設備を除外する

1:可視化又は自動制御化に関する投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備(デジタル化投資)

2:マイニング業の用に供する設備

(3)地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度について、次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する(所得税についても同様とする)。

①特別償却率を50%に、税額控除率を5%に、それぞれ引き上げる措置について、次の要件を満たす場合を加える。

・その地方公共団体におけるその業種の付加価値額の増加率又はその付加価値額のその県内総付加価値額に占める割合が全国平均に比して一定水準以上であること

・その地方公共団体におけるその業種の売上高の総額、就業者の総数又は給与の総額のいずれかについて、直近5年間の伸び率が10%以上であること

・その地方公共団体において、その業種の振興に関する具体的な目標等を定めており、予算措置等の具体的な取り組みが実施されているといること

・その承認地域経済牽引事業計画に定められた施設又は設備を構成する減価償却資産の取得予定価額の合計額が10億円以上であること

・その承認地域経済牽引事業が1億円以上の付加価値額を創出すると見込まれるものであること

・その承認地域経済牽引事業について、労働生産性の伸び率及び投資収益率が一定水準以上でとなることが見込まれること

②機械装置及び器具備品の特別償却率を35%(現行:40%)に引き下げる。

③特別地域経済牽引事業施設等に係る投資規模要件を1億円以上(現行:2,000万円以上)に引き上げる。

【2】円滑・適正な納税のための環境整備

非適格合併により移転を受ける資産等に係る調整勘定の算定方法等について、次の見直しを行う。

①一定の資産評定により移転を受ける資産及び負債の価値が等しくなる場合等において、その対価がないときの調整勘定の算定方法を明確化する。

②いわゆる対価省略型の非適格合併等が行われた場合において移転を受ける資産等が資産超過であり、かつ、一定の資産評定を行っていないとき等に置ける処理の方法を適正化する。

2:資産課税

【租税特別措置等】

延長・拡充等

<固定資産税・都市計画税>

中小企業等経営強化法に規定する先端設備等導入計画に基づき、中小事業者等が取得する生産性向上や賃上げに資する一定の機械・措置等に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。

①対象資産を雇用者給与等支給額の引上げの方針を位置づけた同計画に基づき取得する一定の機械・装置等に限定する。

②当該機械・装置等に係る課税標準を、次のとおり[現行:最初の3年間価格の2分の1(雇用者給与等支給額を1.5%以上引き上げる方針を同計画に位置付けた場合は、令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に取得されるものは最初の5年間価格の3分の1、令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間に取得されるものは最初の4年間価格の3分の1)]とする。

・雇用者給与支給額を1.5%以上引き上げる方針を同計画に位置付けた場合、最初の3年間価格の2分の1

・雇用者給与等支給額を3%以上引き上げる方針を同計画に位置付けた場合、最初の5年間価格の4分の1

<不動産所得税>

中小事業者等が中小企業等経営強化法に規定する認定経営力向上計画に従って行う事業の譲受により取得した一定の不動産に係る不動産所得税の課税標準の特例措置について、適用対象に企業グループ内の法人間で行われる一定の事業の譲受により取得した場合を加える。

詳しくは、こちらをご覧ください

参照ホームページ[財務省]

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/20241227taikou.pdf

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